歩行

歩行

 

日に日に目はうつろになっていき
視力があるのかもわからない
幼年のトラウマと現世を毎日
無数に往復し、擦り切れた靴底を
確かめることもせず、不恰好な歩き方はいつまでも矯正されない。
叫ぶ言葉は空気振動以上の意味をもたず、自分の脳だけをわずかに痙攣させる。病人かと問われればヘラヘラと笑うしかない。いやそんなことは誰も聞いてない。

靴の下にはコンクリートが横たわり、その下には土があり、地層を形成してる。ずっと核には着地できないんだろうか。ソールの不均等な減りの割には靴は汚れていない。
星よりも地球がほしい。