みんな「普通の恋」に落ちていく

 

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「11歳でドストエフスキー、15歳でエヴァンゲリオン」というトリッキーな歌詞を聴きたさに再生したら、恋愛を当事者の視点でなく、「神様」の視点から見守る、という名曲で、去年から中毒的にリピートしている。

 

「11歳でドストエフスキー、15歳でエヴァンゲリオン」に出会った少年と、「不倫なんて当たり前、とても人に言えないような悪いことならなんでもやった」少女は、世界の中心でも果てでもなく、どこにでもあるコンビニで偶然出会って恋に落ちる。

 

そこには当然、恋の喜びもあるんだけど、どこにでもだれにでもある、ありふれた恋に落ちてしまう、という諦めや切なさも混じっている。それは神様だけが笑ってみているのだ。

 

一般的なラブソングのように自分対相手の関係性でなく、恋愛そのものをテーマにしている描き方に驚いた。それもこの曲が歌ってるのは、普遍的な愛の素晴らしさじゃなくて、普通の恋のたあいもなさだ。私は音楽を聞いて、ラブソングとして強く共感したのはこれが初めてだった。

 

自分でどんな強固な世界を築こうとも、普通の恋に落ち、ありふれた恋人同士になってしまう。それは少し寂しげで、でもそういう普通の恋で世界はきらめいているんだろう。